当たり前といえば当たり前ですが、MBAに入ればビジネスに必要なスキルは全て身につけられるかと言うとそうではありません。
特に近年はTechnology関連などで新しいスキルが求められるようになっているのに対し、学校側がカリキュラムを迅速にアップデートできているかというと残念ながら違います。また私の様に人事の様なニッチな分野で学びたい場合も、やはり学校で学べる内容は限られています。

今回はそんな「授業では学べないけど需要がある」分野に対して、学校側や学生たちがどんな対応をしているのか紹介したいと思います。

LBSの授業の限界と補完としてのLeadership Launch

LBSの授業はどうしてもAcademicな内容なので、就職に必要なTechnical Skillが全て学べるかというとそういう訳でもなく、Tech系に就職する人からの需要が多いPythonを初め、こういうクラスを提供して欲しいという要望が学生側から色々出ています。

正式な授業として提供するには承認プロセスなどかなり時間がかかってしまう様ですが、LBS側もLeadership Launchの一貫として学べる場を提供するなど対応はそれなりにしてきました。
(Leadership launchは本来は名前の通りLeadershipに関わるソフトスキルを学ぶ場ですが、学生の要望に対応してPythonなどのTechnical Skillを学ぶ機会も提供するようになりました)。

コロナウィルスにより時間に余裕ができた学生が多い今、学校側もLeadership Launchで学べる科目数を増やしていますし、LBS外部でのオンライン講座などで色々な勉強をする学生も多く出ています。
(ちなみにLeadership Launchは無料ですが単位にはなりません。外部コースは多くが有料で、お金を払ってでも受講している学生が多いようです。)

他のビジネススクールに比べてLBSの対応が良いのか悪いのかは正直よく分かりません。。
想像ですが、総合大学に付属しているビジネススクールの場合、他の学科の授業などが履修しやすいので、LBSよりも学べる科目が多いのではないでしょうか。
(LBSもロンドン大学に属してはいますが、後述の通り各スクールがかなり独立していて繋がりは薄いです)

多くのMBA生が学んでいるスキル

Leadership Launchや外部コースで皆が学んでいる内容というのは、皆が学びたいし、就職先からも需要が多い内容にも関わらず、オフィシャルな授業としては学校側が提供できていない内容になります。
それを知ることで今の就職市場での需要なども見えてくると思うので、今回は多くの人が課外学習として学んでいる内容を紹介したいと思います。

ちなみに私はSQLとデザイン思考をLeadership Launchで、Pythonは(Leadership Launchが満席で取れなかったため)外部のオンラインコースで受講中です。Tabulouも時間があればやろうかな…

Technical系:Python、SQL、Tabulou

どのビジネススクールでも、コンサル・金融に加えてTechnology(Google、Facebookなど)がMBA生のメジャーな就職先として延びているのが最近の傾向なのですが、たとえコンサルや金融に就職するとしても簡単なTechnology/プログラミングスキルはあった方がいいという会社も多いようです。

それぞれがどんなツールなのか詳しくは各自調べていただきたいのですが、私はざっくり下記のように理解しています。(間違っていたらコメント欄から指摘していただけると有り難いです…)

Python
データサイエンスで良く使われるプログラミング言語の一つで、特にTech分野で就職希望の人から需要が高いツール。
ライブラリと言われる既存の分析ツールを呼び出して処理をするので、Machine Learningなどの高度な処理が初心者でもやりやすいのが魅力。
JavaやC言語などと比べると初心者でも学びやすいように設計されている。
ちなみにLBSの授業でもPython for Financeという授業あり。

SQL
データベースを作成・管理したり、データを抽出するために使うシステム&言語。
コードを書くことはあるけれど一般の人がイメージするプログラミングよりは大分簡易なイメージ。

Tabulou
データを分析したり図表を作ったりするシステム。上記2つと違ってコードを書いたりするようなものではないと理解している。
BCG出身の同級生がコンサルでもよく使うと言っていた。


余談ですが、私の前の会社は何でもエクセルでやる会社で、計算式やVBAを駆使して力技で処理することに慣れていたので、世間にはこんなに便利なツールがあるんだなぁとMBAに来てから関心しています。
もちろんExcelも使えるに越したことはないですが、データが重いと処理が遅くなったりデータが壊れてしまったりする(この点、前職でよく苦しめられました…)ので、ある程度の量の分析をする時は使わないことが多いようです。

デザイン・シンキング

ざっくり言うとデザインでよく使われる思考法をビジネスに活かそうという考え方。
量的な調査に頼らず、対象者を観察(Ethnographyという文化人類学の手法を応用)する手法や、ブレストやワークショップの方法、フレームワークなど適用方法は様々。

IDEOなどのデザインファームが拡大していたり、コンサルでもデザインの会社を買収するところが増えていたりとビジネスソリューションとして注目されていて、LBSにもDesign and Innovation Clubというクラブがあったりする。
Leadership LaunchはRoyal College of Artという有名な大学の教授が教えてくれるので、面白い発見があれば別途記事にします。

人事関連

最後に、学校の皆が学んでいることではなく、個人的に学びたい内容になりますが、人事系のPracticalな科目(採用や賃金、パフォーマンス・マネジメントなど)の科目もLBSには存在しません。

Organisationl Behaviourは心理学などもっとソフトな部分に注目した科目なので、基本的にはMBAで人事について学べる内容はそんなに多くないと思っていいと思います。
(アメリカのMBAではHRのConcentrationが取れるプログラムもありますが)

人事関連のキャリアに興味があってMBAを目指している方は、この点はよく理解しておいた方がいいと思います。
特に海外就職の場合、どんなMBAをとっても、Practicalな人事のスキルが無いと就職が難しそうだなと日々感じており、インターンシップで実務経験を積むと同時に、自分で外部のコースなどをとって基本的な知識を吸収する必要があると思います。
(もっと人事に興味のある学生が増えれば、学校側と交渉して授業やLeadership Launchに加えてもらうことも出来ると思いますが、現状はマイノリティなので難しいです…)

私はコロナウィルスで出来た時間を利用してCourseraでHRの授業を履修しました。

Leadership Launch以外にLBSが提供している制度

ここまでLeadership Launchと外部コースで学ばれている内容を紹介してきましたが、LBSがオフィシャルに提供している制度でLBSの授業以外を受けられる制度が他に2つあります。

ただどちらも自分が学びたい内容を受けられる可能性はあまり高くないので、うまくマッチしたらラッキーくらいの感覚で、あまりアテにしない方がいいでしょう。。
単位交換制度については今後充実させていく方向で動いているようなので、読者の方が入学する頃にはもっと選択肢が増えていることを祈ります…

ロンドン大学内の単位交換制度

上述の通り、LBSはロンドン大学に属しています。
ロンドン大学はUCL、LSEなどロンドンにある多くの有名大学が所属している大学ですが、ロンドン大学全て合わせて一つの大学というよりは、それぞれの大学をゆるく繋げる連合みたいなものです。

別記事で書いた語学の授業をKing's College Londonの先生がLBSで提供してくれていたり、それなりに繋がりはありますが、アメリカの大学やOxford、Cambridgeのような総合大学と比べるとイメージが大分違うと思います。

カレッジ間での単位交換制度も一応展開しているのですが、かなり選択肢が狭いです。
私もLSEやKing's Collegeで提供しているHuman Resource Managementの授業を受けられないか相談したのですが、NGとのことでした。。

交換留学

こちらはLBSに限らず多くのビジネススクールに存在する制度ですが、交換流先の学校で自分の受けたい授業を提供している場合は受けられる可能性があります。
ただ他の記事で書いたとおり交換留学生は派遣先のどの授業でも受けられる訳ではなく、人気授業は中々取れないところも多いようなので、やはりあまりアテにしない方がいいでしょう。
個人的には、交換留学は違う国の文化や言語を学ぶことが主な目的で、派遣先の学校で取る授業はオマケみたいなものだと思っています。



以上、参考になれば嬉しいです。

コロナで出来た時間を利用してオンラインコースで取得したCertificateをLinkedInでシェアしている学生がとても多いのですが、MBAだけで満足せず必要なスキルを積極的に身に着けようとするLBS生の姿勢には日々とてもいい刺激を受けています。
今も適度にゆっくりしつつ、時間を有効活用して色々学べるように頑張りたいと思います!