更新が遅くなりましたが12月にとったBlock Weekのレポートです!
今回は人気授業の一つであるStrategic Innovation。授業の内容もさることながら教授の評判がとてもよく、人事や組織経営とも関わりが深い授業だと前評判を聞いていたので、楽しみにしていました。

授業内容

大企業はなぜイノベーションを起こすのが難しいのか(いわゆるイノベーションのジレンマの議論)、その難しさを乗り越えてイノベーションを起こすためにはどうすればいいかという内容です。

アントレの授業と違い、この授業での主語はディスラプションを起こすスタートアップではなく、ディスラプションから自社を守る大企業です。
ここ数十年イノベーションを起こせず停滞している大企業を目の当たりにしている日本人学生には特に興味深い内容のため、人気なのも頷けます。大企業からの派遣生も多いですしね…


主な内容は:

  • Strategic Innovationとはなにか(ビジネスモデルのイノベーション)

  • 大企業がイノベーションを起こすのが難しい理由

  • どうすれば大企業でイノベーションを起こせるか(従業員のBuy-inの得方、組織デザイン等)
  • ベンチャー等が起こしたディスラプションに大企業はどう対応すべきか
でした。

他のStrategyの授業と同じく、一日に最低一人、少なくとも二人はゲストスピーカーが来ていました。ただ半分くらいはスタートアップの起業家で、話自体としては面白いけれども、授業の内容とゲストの話の関連が低いので、個人的には「なぜ呼んだんだ?」という感じでした。

個人的に一番良かったスピーカーは、ケースで読んだメディカルデバイスの会社で新しい製品のビジネス開発を担当していた人の話でした。実はそのプロジェクトは失敗に終わってしまうのですが、だからこそ示唆が深いというか、なかなか聞けない話だなと思いました。

また本筋ではないので授業中には触れられませんが、リーディング課題では日本企業のイノベーションに関しする議論も多くあり、非常に勉強になりました。
リーディングを読む限り、「大企業がいかにディスラプションに対応するか」という議論は、90年代にアメリカ企業が日本企業に押されていた頃から盛んになったようです。当時書かれた論文では、XeroxがCannonにプリンタ市場を奪われた等の実例が多く登場し、日本企業が褒めそやされているので、今の日本を知っている身からすると違和感があるのですが…
別のリーディングでは、アメリカは古い大企業が復活するのではなく新しい大企業が誕生するという形で(ある程度)経済が復活したが、日本は人材の流動性が低いためスタートアップが人材を集めにくいから同じことが起きていない、と書いてあり、日本の人事慣習に興味がある身としてはその経済的な重要性を改めて思い知られました。
大企業から派遣されている同級生にはもちろん頑張って欲しいですが、大企業の頼みで適切な企業のターンオーバーを促せていない今の経済のあり方は非効率なんだろうなと考えさせられました。

教授: Costas Markides

イノベーション界隈で世界的にも有名な教授であり、教え方もとてもPassionateで人気の教授。
教授のプロフィールはこちら

履修時期によってはJessica Spunginという別の教授になる場合もあり。
こちらの教授の悪い話を聞いた訳ではないが、この授業は受けられるならCostasの授業を選んだほうがいいと思います。

Reading課題でもCostas自身が書いた論文が沢山登場するのですが、自分が書いた理論を、自分自身が多くの企業にコンサルした経験から語ってくれるので、その説得力は今までの授業と比べてもずば抜けていて、きっと卒業した後も記憶に残るだろうなと思いました。
また今回はコロナで100%リモートであったにも関わらず、「教室でホワイトボードを使いたいから」という理由でわざわざキャンパスまで行っての教室から放送(?)してくれたりもして、本当に熱い教授でした。

ただ今回は100%リモートという授業スタイルの影響で、彼の良さが生きず、悪い方に転がっているように見うけられた場面もありました。

まず、タイムマネジメントがひどかったです。
2日目くらいから予定に対して教える内容が押し始め、後半急ぎ足になっていましたが、それでも授業が終わらなくて1時間ほど延長する始末…
上述の通りゲストスピーカーが豊富なのですが、「普段はオファーしても日程が合わないゲストも多いけど、今年はZoomだから全員からOK出ちゃった」と教授も話しており、それが延長につながったのは間違いないのでしょうが、それにしてもベテラン教授なのだからタイムマネジメントはもっとしっかりできないものかと思ってしまいました。

それと、彼は情熱的で大声で話すタイプなのですが、Zoomで一方的にその様子を聞いているのは結構しんどいです。
Zoomでの授業の教え方は対面とは違うコツがいる様で、教授たちも試行錯誤している最中だろうから責めるつもりはないのですが、先輩たちから聞いていなような感動を私が彼から受けなかったのは、おそらく私の感性の問題ではなくてZoomの影響が大きいと思います。

課題

課題としては、授業開始前に取り組む課題が一つ、中盤にやる課題が一つと、授業後のTake home examの3つでした。


事前課題
ディスラプションを起こしている幾つかのスタートアップに関して、どの業界をディスラプトしているのか?その業界の既存企業は対応すべきか?等を答える課題。
課題自体は面白いのだが、前述のタイムマネジメントの影響なのかわからないが、せっかく課題でやったのに授業で全く取り上げられず、どう考えたら正解なのか分からないままなのが残念だった。

中間課題
前述のメディカルデバイス企業のケースに関して、どうしれば社内のサポートがもっと得られるか?を議論する。
これはゲストから話を聞いて理解を深める機会が得られたので満足。

Take home exam
4つの質問から2つを選んで回答。
コロナ影響で普通のExamができない状況だったため、普通だったらTake homeでなく教室で試験があるのかも知れない。

また上記以外に1コマに2-3個のReading課題があり、Block weekなので事前に読んでおかないと全部読むのはかなり難しいが、読まなくても問題なく授業についていけるし、読んでいた学生は少数派だったように思う。
私はちょうど授業前に隔離生活で時間があったため全部読んだが、とても興味深いものが多かったため、個人的には授業後でもいいから読むことをおすすめしたい。


以上、期待が高かっただけにタイムマネジメントの点など残念な点が目立ってしまいましたが、授業のトピック自体は興味深いですしリモートでなければきっともっとEngagingな授業なんだと思います。
参考になれば嬉しいです!