明けましておめでとうございます。
二学期が始まったばかりの今日この頃ですが、学校とは関係ない話題を。

私はちょっとした持病があるのと、最近ちょっとした怪我的なものがあったので、昨年から頻繁に病院に通っていました。
(知り合いの方々へ、どちらも大したものではないのでご心配には及びません)

風邪などの場合と、私のように専門医(Specialist)にかかる場合では勝手が異なるのですが、病院システムは気になる人も多いと思うので私の体験をレポートしたいと思います。

NHS National Health Service

国民・住民全員が医療を無料で受けられる、サービス。
イギリス人の宗教とも言われるほど国民から愛されており(?)、私のようにビザを取って住んでいる外国人にも適用される太っ腹な制度。
(外国人はビザを取るときに百数ポンドの加入料を払うので実質無料ではないですが…)

しかしその実態は、待ち時間が長い、設備が汚い、医者の対応が雑、制度が官僚的なせいでたらい回しにされる、などなど悪名高い。
私立病院に行けばお金はかかるけどもっと良いサービスが受けられるので、懐に余裕がある人はあまり使わないという踏んだり蹴ったり。。

節約したかったので私は今回NHSにこだわりましたが、その過程で何回かキレそうになったのでした…(詳細は後述)

NHSの基本:GP制度

NHSはGP(General Practitionar)という所謂かかりつけ医の制度をもとに成り立っていて、NHS制度を利用するにはまずかかりつけ医を登録する必要があります。
途中でGPを変更するには、それまでの診察履歴を全部移動するなどそれなりに手間がかかるようですので、GP選びは慎重に。

GPでは対応できない病気でも、まずはGPに見てもらって紹介状を書いてもらわないとSpecialist Doctor(専門医)に会うことができません。
全ての診療履歴をGPの元に集めることで総合的なケアを提供しようという側面と、必要以上にSpecialistにかかる人が出ないように食い止める役割と両方があると聞いたことがあります。
私の様にイギリス国外で既に治療を受けている身としては、何の病気か既にわかっているので直でSpecialist Doctorに会いにいきたいものですが、それができないのがNHSの官僚的な部分の一つです。

BabylonのGP at Hand

問題だらけのNHSを少しでも良くしようと生まれたのがBabylonというMedTech(医療テクノロジー)ベンチャー。
LBS生も時々インターンしたり就職したりしているようです。
複数のサービスを提供していますが、GP at Handはロンドン近郊に住んでないと利用できないようなので注意。

この制度を使うと、実際の病院ではなくバーチャルな病院をGPとして登録し、アプリを通したテレビ会議で診察をし、処方箋を書いてもらったり、Specialist Doctorに紹介してもらったりすることができます。
とにかく待ち時間が長いことで有名なNHSのGPですが、ビデオ会議を利用することで予約した時間に確実に医師にかかることができ、病院に行かず家から診察してもらえる点が画期的です。

NHSの一環なので診察料は全て無料。
言われてみればかかりつけ医の診察ってほとんどが問診なので、In personで会う必要はないよな、と私も納得しました。
イギリスについたらまず登録しておくことをお勧めします。

ただ緊急の場合や触診が必要な内容の場合、一度電話会議で話してからそのあとアポを取ってまた病院に行く(しかもこのアポが数週間取れないことがある)ので、GP at Handは使わずにお近くの病院にアポなしで行った方が良さそうです。

私のNHS診療ストーリー

ここからが私の体験談。持病の方のお話を共有します。
結論から言うとGPに最初に会ってからスペシャリストに会えるまで驚愕の4ヶ月を要しました。

私はシンガポールから日本に戻った時も同じようなことをしたのですが、午前中に診察・採血をして午後には薬がもらえましたので、日本と比べると効率性の差が歴然です。。

①GP at Handで問診

BabylonのGP at Handでビデオ越しに問診を受ける。
登録が完了したその日の夕方に予約が取れ、診察も問題なく終了。
私の病気は定期的に採血をして結果を元に薬を処方するものなので、病院に行って採血をするように指示が出る。

②Babyloneアプリから採血を予約

①の診察の翌日にはアプリにお知らせが入って、予約システムに誘導された。
複数の病院の選択肢があったが、一番近い病院は1ヶ月ほど予約がいっぱいだったため、家から電車で40分くらいの病院を予約するハメに。

③Specialist Doctorへの紹介状が届くが、予約の取れなさにキレる

郵便でSpecialist Doctorへの紹介状が来た。
指示通りネットにアクセスすると一番早くて予約できるのが12月。薬が切れてしまうのでそんなに待てないと焦る。

④採決に行ったはずが、予約間違いで何もできず帰る

②で予約した病院に行ったものの、「本来ナースを予約しなければいけないものを、医師の診察の予約になってしまっている、今日はナースがいなくて採血できないからまた予約を取って来てくれ」と言われる。
どうやら①でかかった医師が間違って違う種類の予約を手配してしまった様。仕方ないのでみすみす帰る。

Specialistに会うより前に薬が切れてしまうということを話したら、初回はGPでも薬を出せるから大丈夫とのことで安心する。

⑤再度Babyloneアプリから採血を予約し、採血

再度アプリから採血を予約。
今度は③でかかった病院の予約が1ヶ月以上相手いなかったので、別方向に家から30分くらいの病院を予約。ロンドンの色々な病院を体験できている。
今回は採血できた。

⑥採血の結果が出たので、再度GPにかかる

採決の結果を聞いて異常がなかったので一安心。
ただ、薬に関してはSpecialist Doctorに確認を取らないと処方してもらえないそうで、確認取るからちょっと待ってと言われる。
④で会った時の医者と言うてること違うやんけ。

⑦薬の処方に関する連絡が来ず、オンライ診察を更に2回する

しばらく経っても連絡が来なかったため、リマインドついでに再診。
すぐ処方するから待ってと言われ、結局何も連絡がなくてまた再診、というのを2回繰り返す。
本来はSpecialistが処方するものなので、GPが処方するには色々プロセスが複雑らしいが、それにしてもいかがなものか、、

Babylonの悪いところは、診察するたびに違う医者が出てくるので一貫した診察が受けられないこと。
もちろん記録は残っていて共有されているが、人によって言うことが違ったりする。

⑧バビロンに苦情のメール

Babylonのサービスセンターにメールしたところ、処方部門の人から電話がかかって来る。

血液検査の結果が良好なため、一旦薬の服用を辞めてみたらどうかという提案をもらう。
薬が出せないことの言い訳にされているような気もしたが、イギリスの基準で言うと私の今の服用量が有り得ないくらい低いらしく、同じ量の薬がそもそも存在しないという説明で納得。

⑧Specialist Doctorの診察

やっとSpecialist Doctorの診察にかかる。
薬をもらいつつ再度血液検査をし、結果は電話で知らせるからその後のことは電話にて、とのこと。
本当に電話がかかってくるのか、今後もきちんと診察を受けられるのか心配ばかりだが、取り敢えず本レポートはここまで。

海外旅行保険に入るという選択

ここまで読んでNHSなんてかかりたくないと思ったそこのあなた、保険に入れば安心して私立の病院にかかれます。

AIG海外旅行保険

日本人ではAIGという保険に入る人が多いようですが、日本人の医者がいる病院と提携しているので日本語が通じて安心です。保険料が1人50万前後とかなり高いですが、
またあまり調べていませんが、旅行保険ではなく普通にイギリスに住んでいる人が使うプライベートの保険制度もあるようです。
どちらにしろ、私のようにpre-existingな病気がある人は通常の保険ではカバーされませんのでご注意を。

病気にはならないと願いたいものですが、安心して私立病院にかかれるようにしておきたいか、いざとなったらNHSでも良いと思うかは人それぞれだと思います。

GPとSpecialistの違い

上述の通りGPはBabylonでオンラインで診察するか、アポを取らずに病院に行くかのどちらかで、オンラインはだいたい24時間以内にはアポが取れますし、後者の場合も待たされると言ってもその日のうちのは医者にかかれます。

問題は今回書いたようにSpecialistにかかろうとする場合で、数ヶ月かかるのもざら。
救急車で運ばれるくらいの緊急事態でないと、緊急では取り合ってもらえないようです。

私はここに書いた病気以外にも別件で神経科にかかる必要があったのですが、結局予約がとれないまま自然治癒し始めているのでもう諦めました。
私立病院なら数日以内にはSpecialistにかかれます。

保険なしで私立病院はやめた方がいい

私は一度だけ私立のGPにかかりましたが、普通の診察で£100でした。
一回私立にかかると紹介先の病院なども全て私立になってしまいものすごく費用が嵩むことになるので、保険がない場合は私立病院は避けた方がいいと思います。



以上、シンガポールは国民保険が全くない国だったのでそれもそれで不安でしたが、全員無料にするとNHSみたいな問題が起きてしまい中々難しいなと思いました。
日本の様に一部だけ自己負担で、所得の低い人だけ全額無料というのが一番バランスが良いのではと思ったのでした。