2年目が始まり9月からロンドンに戻ったのですが、11月からまたロックダウンが始まってしまいました。
だからではないのですが、ずっと会えていなかったパートナーに会うためと就職活動のためにシンガポールに一旦戻ることにし、少なくとも3月まではシンガポールにいる予定です。

過去何回かコロナ禍のLBS・ロンドンで感じたことについてレポートしてきましたが、今回も続編を書きたいと思います。

本当はもっと「普通のLBS生活」の様子を皆さんにお届けしたいのですが、残念ながら「普通に」行われていることが今はほとんどなく…
その代わり平時はできない体験や気付きもあるので、面白く読んでもらえると嬉しいです。

過去のコロナ関連の記事はこちら
LBS・イギリス生活とコロナウィルス
LBSとコロナウィルスーその2

LBSのコロナ関連ニュース

ロックダウンへの対応

今回のロックダウンは前回と違い「学校は閉じなくていい」というのが政府の方針なので、今の所ロックダウン前と同じハイブリッド授業が続けられていますが、12月からは100%オンラインにするとのアナウンスが先日ありました。
またいつハイブリッドに戻るのかは今の所分かりません。

またMBAの1年生の間でクラスターがあったようで、学校の情報によると72名が感染したとのことです。
この対応としてMBA2022だけは、全員数週間学校に来ないようにとの指示が出ていました。


ハイブリッド授業の様子

ということで現在LBSではハイブリッド授業というスタイルを導入しています。
こちらの記事で書いた通り私は今季授業をとっていないので、私自身はハイブリッドには参加していないのですが、学校のオフィシャルの情報と友人からの話を合わせてシステムご紹介します。

まずシステムとしては
・キャンパスで授業を受けるRoomyとリーモ―トで受けるZoomyが隔週でローテされる
・ロンドンおらずRoomyにはなれない場合、またはロンドンにいるがZoomy
のみを希望する場合は。Zoomyオンリーでも可
ということになっています。

私の友人でもまだロンドンに戻ってきていない人も一定数いるので、それなりの人はRoomyオンリーのようで、Term開始当初は1/3前後がRoomyオンリーで、残りの1/3の半分ずつが隔週でRoomyとZoomyという感じだったようです。

Term開始当初はといったのは、Roomyが音響は悪い、結局学校まで来てもBreakoutでのディスカッションはZoom経由、授業によっては教授がそもそもオンライン参加、などからRoomyになるメリットが弱く、ロンドンにいるけれどもZoomyオンリーを選択している人が増えているとのことです。
授業によってはRoomyがどんどん減り、数人しかいなかったなんて話も聞きましたが、11月にロックダウンになってからはキャンパスに行くことが唯一の人と話せるチャンスになったので、Roomyが増えたという話もありました(笑

GBE対応

2年目のカリキュラムの目玉の一つであるGBE(Globel Business Experience)ですが、今の状況を受け全コースVirtualで実施されるという決定が9月頃されました。
卒業までに隔離もせず自由に旅行できるようになる国は多くはないと思われるので、国によって行けたり行けなかったり、直前まで行けるかどうかわからないという状況になるよりは、今の時点で全てVirtualにしてしまうのは妥当な判断だと個人的には思います。

しかしこの対応について、学校側と学生側で結構な騒動になりましたので、その様子をご紹介したいと思います。

最初の学校側の決定は
・GBEは全てオンライン
・費用のリファンドはなし
というシンプルなものでした。これについて学生側が猛反発。Streamチャットが炎上していました…
学校側も説明会を開いたりして火消しに応じようとしたのですが、その説明会の対応も良くなかったようで、むしろ炎上が加速していたように思います。。
学校側の対応が変わらなければ2年目の学費を払わないということを表明した署名運動なども起こっていました。

プロセスは長いので省略しますが、結果をいうとStudent Associationと学校との交渉により、下記のように落ちきました。
・GBEはオンラインでも受けられるが、GBEを取らずに代わりにElectiveをもう一つとることも可
・£1369のリファンド、または2-5年以内に卒業生としてGBEを受講するための優先権のどちらかを選べる

日本人は学校の決定と言われたら仕方ないと思ってしまいがちですが、交渉すれば変わることもあるということを改めて学ばされました。
ちなみに私はGBEオンライン(もともとインドの予定でしたがミャンマーに変更しました)とリファンドを選んだので、オンラインGBEの様子はまたレポートしたいと思います。

追記:ミャンマーのバーチャルGBEは開催直前にクーデターが起こり中止になったため、GBEを諦めてElectiveを追加しました。私はGBEには縁がなかったようです…

コロナ対応から改めて考える文化の違い

上述のGBE対応等もそうですが、人や国の本質というのは平時より緊急時により見えてくるものだと思います。
私は10年前もイギリスに留学していましたが、その時には分からなかった文化の違いに気づけたことは、パンデミック中に留学して得た数少ない利点だと思っています。

欧米はマスクをしない人が多いというのは日本でもニュース等で有名かと思いますし、確かに屋外ではしてない人がほとんどです(実は政府の方針でも屋外はしなくて良いことになっています)。
問題はマスクだけでなく、本来違う家庭の人同士が会ってはいけないロックダウン中に平気で友人と公園で集まったり(しかもそれをインスタにあげる)、海外から入国して本来は自主隔離しなければいけない期間に平気で社交の場に来たり(しかもそれを周りの人に普通に言う)、私には理解に苦しむ行動をしている人が結構いるということです。

日本にこういう人が全くいないという訳ではないと思いますが(流石にインスタにはあげる人はかなりレアだと思いますが)、イギリスやその他欧米のクラスメイトの方が日本人と比べるとルールを破ることに抵抗がない人が多いのは、感覚値とはいえ間違いないと思います。
ちなみにイギリスのロックダウンルールは建前上破ったら罰金ということになっていますが、警察も本気で取り締まるつもりはないようで、罰金を払わされたという人の話は聞きません。

ここで思い出したのは、OBの授業でやった国による個人主義(Individualism)ー集団主義(Collectivim)の違いです。
Path to Powerの授業の中でも、この文化の違いがコロナ禍での人々の行動の違いを説明できるのではないか、という話が出ていましたし、他の授業でも似たような議論があったと聞きます。

断っておきますが、この記事を書いている時点では、日本やその他アジア諸国はヨーロッパやアメリカより感染者が圧倒的に少ないものの、なぜ少ないのかに関しては仮設が多数あるだけでどれも科学的な証明はされていません。

個人的には文化の違いだけで感染規模の違いを説明するのは乱暴すぎると思っていて、実際抑え込みの成功例と言われるニュージーランドは個人主義的な文化の国ですし、欧米以外で感染者の多いインドやブラジルは日本と同等に集団主義的です(発展途上国と先進国を同じ土俵で比べてはいけないかも知れませんが)。

この記事はあくまで日本とイギリスの人々の行動面の違いにフォーカスしたいと思います。

個人主義と集団主義

Oxfordによると、集団主義の定義は個人より集団を優先する行動や原則(The practice or principle of giving a group priority over each individual in it.)だそうです。

よく欧米と比べて日本は集団主義的と言われますし、それはその通りなのですが、授業で配られた資料によると、実は南米やアフリカなども集団主義の国が多く、むしろ個人主義なのは北米と欧州だけで世界的に見ると少数派です。
また欧米以外の国と比べると日本が際立って集団的とは言えず、あくまで「欧米と比べると日本は集団主義的」というのが妥当そうです。
ちなみにイギリスや北欧はヨーロッパの中でも個人主義的志向が強いです。

10年前に交換留学で来た頃からイギリスは日本より個人主義的だというのは体感で感じていて、だからこそ色々な国や民族、LGBTQ+の人達を受け入れられるんだと思って私はその文化を気に入っていました。(今でもそういう部分は好きです)
だた、コロナの様な非常事態にはよくない面が目立つなと感じました。

コロナに強い集団主義?

上述したような私には理解不能な行動は、「集団主義の定義は個人より集団を優先する行動や原則」とうい定義ですっきり説明できると思います。
マスクをするのが不快、隔離したくない、パーティーに参加したい、という個人的な欲求よりも、自分が感染したら他の人に移してしまう、感染しなくてもマスクをしていないと周囲に不快な思いをさせたり心配をかけてしまう、という考えが、正に「個人より集団の利益を優先して考える」ということだと思います。
日本的に言うと「周囲への配慮」「思いやり」ということだと思いますが、少なくとも私と私のお周囲の日本人はそういうことを自然に考えます。

アメリカのニュースの方が日本では注目度が高いかも知れませんが、「マスク反対派」の人たちはイギリスにも一定数いて、理由はカルト的なものなど色々あるのですが、「マスクをするのが不快」「マスクをしない権利が個人にはある」という日本人の感覚からするとかなり「自己中」な主張をしている人も沢山います。
日本からニュースを見ているだけだと冗談なのではないか、一部の極端な人の行動を取り上げているだけではないかと思うかも知れませんが、周囲の話を聞いているとイギリスではこれは「異常」な感覚ではないようです。

良い集団主義、悪い集団主義?

一方私は上述の通り個人主義的だからこそ多様性を受け入れられるロンドンが好きで、日本の同調圧力が強いところは嫌いです。

考えたのですが、同調圧力と言われる「みんなやってるからやる精神」「みんなやってることをやっていない人を叩く精神」は、上述した「周囲への配慮」とは違う次元のものだと思います。

確かに日本では「みんなマスクしてるからする」「自粛しないと叩かれるからする」という同調圧力からそういう行動をとった人も多いと思います。
それが感染抑制につながったのなら今回は「結果オーライ」なのかも知れませんが、「皆がやっているから」という根拠だけで判断していたら、例えば科学的に根拠がないデマなども皆がやっていたらやることになってしまい非効率です。
この様な日本の「出る杭を打つ」精神は最近ビジネスや政治など色々な場面で問題視されていますし、私もよくないと思います。

また、日本はクラスター対策を主軸に置いていたこともあり、一般人がどんな経由で感染したのかがニュース等で報道され、個人が特定されてバッシングを受けるということが多々あったと思います。
確かに不適切な行動をするのは良くないですが、犯罪者でもないのにテレビなどの公共の電波で一般人の情報を流さなくてもいいと思いますし、よってたかってバッシングするのは違うと思いました。
対してイギリスでは、政治家や有名人を除いては誰がどんな経由で感染したかというニュースは全く入ってきませんし、そこにバッシングもありません(感染者数の桁が違いますし、そもそもルールを守っていない人があまりに多いというのもありますが…)。

良い集団主義だけ残せないものか

私の価値観では、「周囲への配慮」は良い集団主義で、「みんなやっているから精神」は悪い集団主義だと思います。
そして個人より集団を優先するという集団主義の定義からすると、集団主義の本質は「周囲への配慮」であって「みんなやっているから精神」でははないはずです。

良い集団主義だけ残して、悪い集団主義はなくすって、できないんでしょうか。
自分で言っておいて何ですが、残念ながら人間は弱いので、そんなに自律心をしっかり持てる人ばかりではなく、なかなか難しいとは思います。

少なくとも私自身は、「周囲への配慮」はしっかりもちつつ、みんなやってないことを思い切ってやれる、またやっている人を叩かない人でいたいと思いました。


なんだか個人的なエッセイみたいになってしまいましたが、第三段のコロナレポートは以上です。
ちにみに今いるシンガポールは、文化どうこうの前に政府が強すぎて(怖すぎて)みんなしっかりルールを守っています。国による違いって本当に面白いですね。