2020年、1月から中国で流行り始めた新型コロナウィルス(COVID-19)は、3月からイタリアを中心にヨーロッパでも拡大し、イギリスでも3月末から感染者が増加しロックダウンに至るまでになりました。
これを書いている4月初旬現在、日本でも緊急事態宣言が出されたところです。

このままイギリスにいても何も出来ないため、私も先日帰国し、現在は帰国者の2週間自宅待機の支持に従っています。

やりたかったPart-timeのインターンやその他プロジェクトができなくなってしまいとても残念ですが、こういう時だからこそ出来ることや学べることもあり、日々いかに生産的に、そしてメンタルを健康に保てるかを考えながら過ごしています。

この記事ではコロナウィルスにLBS・イギリス政府がどう対応したのか?ロックダウン中のロンドンはどんな様子だったか?をレポートしたいと思います。


LBSの様子

学校側の対応

完全にロックダウンになるまでの数週間、学校側としても先行きが見えない中、政府がSocial Distancingを呼びかけ始める前から、授業を全て録画して共有するので、Physicalに授業に参加したかどうかは評価に影響させない、という決定をしてくれました。
これにより、Physicalに授業に参加したい人はそのまましつつ、母国に帰りたい学生や、妊娠していたり高齢者と一緒に暮らしていたりして人が集まる場所に来たくないという人には、学校に来ないという選択肢が与えられました。

結局この直後にロックダウンも始まり、オプションではなく全面オンラインになるのですが、政府より早く学校が決断したことは良かったのではないかと思います。

オンライン授業の様子

授業はZoomというシステムを使って行われました。
挙手できるシステムがあったり、Break out roomに分かれて小チームでディスカッションできるシステムなどもあるので、意外にも普段の授業と変わらない感覚で授業に参加できています。
また私のように時差が大きい地域に移動していてオンタイムで参加できない場合は、後で録画を見ることも可能です(授業によってはオンタイム参加できないと厳しいものもありますが)。

違うことと言えば、授業の前後や休憩中に雑談する時間がないというくらいでしょうか。
その違いが大きいという人もいますが、仲のいい友人とは別途テレビ電話で話したりしているので、私はあまり不便を感じていません。

Leading through a pandemic: an LBS webinar series

ロックダウンが決まる前から、LBSの名物教授がコロナウィルスに関連する様々な内容について話すWebinarの開催がアナウンスされました。
https://www.london.edu/campaigns/executive-education/pandemic-webinars

内容は危機的状況化へのリーダーシップ、経済への打撃、企業戦略など様々で、日本で有名なLynda Grattonも、Working from homeというトピックでWebinarをしてくれました。

LBSプログラムの宣伝も兼ねているということもあり有名教授が目白押しで、私も多くのWebinarに参加しましたがどれも興味深く、LBSは良い教授が沢山いるんだなと実感する機会にもなりました。
(正直、普段の授業は全部が全部良い教授に当たる訳ではないので…)

生徒会や各クラブの反応

学校に行けない中でも出来ることをやろう!オンラインでもSocialiseを続けよう!ということで、SA(Student Association)や各クラブ、または個人ベースで色々なイニシアティブが取られていました。
こういう時に悪い面だけ見ずに何ができるか考える姿勢、それを実際に行動に移す行動力は見習う点が多いなと本当に思います。

具体的にはオンラインでPub quizなどのSocialイベント、もともと予定されていた各種イベントやセミナー、LBSの名物であるSundawnerもOnlineで始まるみたいです。(時差的に私は参加が難しいですが…)

個人的にいいなと思ったのは、コロナウィルスに関するボランティアのイニシアティブを立ち上げた友人がいたことです。
食料調達などのボランティアに加え、NGOや中小企業へFundraisingやFinancial planningにアドバイスをするなどLBSらいし内容のものもありました。

学生の反応

授業がすべてオンラインになると決まった瞬間から、母国に帰る学生も結構多かったです。

お国柄が出て面白いのですが、中国やインドの学生はビザの要件など先が見えない段階から帰ってしまった人が多いのに対し、日本人で初期に帰った人はほとんどいませんでした。
私を含めてロックダウン後に帰った日本人は何人かいましたが、現時点でイギリスに残っている人の方が多数派です。家族連れの人が多く日本での住居の確保などの問題があること、社費の人が多いので派遣先との調整などに時間がかかることなどが理由として挙げられると思います。

普段は論理的で理性的なLBS生ですが、今回の様な危機的状況になるとあまり冷静な判断ができず、感情的になったりデマを信じたりする人も一定数いて、こういう言い方は不謹慎かも知れませんが見ていて面白かったです。。
一方で、ウィルスの感染経路や各国の医療の状況などを統計や研究などに基づいて共有してくれる人も多く、普通にメディアなどを見ているより正確な情報が入って来やすかったのは個人的にも助かりました。


この様な皆のイニシアティブにより、学生生活の7割ぐらいは今まで通り行えているのではという感覚です。もちろん色々な点が違っては来ますが…



次に、ロンドンやイギリス全体の様子を紹介します。

ロンドン全体の様子ーネガティブ面

アジア人差別

後半からヨーロッパにもウィルスが広まったので無くなりましたが、初期は中国を始めアジアで広まっていたため、差別に遭ったという話をちらほら聞きました。

ひどい話では、Oxford Streetというロンドンいちの繁華街を歩いていたシンガポール人の男子学生が、暴行にあったというニュースもありました。
これに関しては被害者本人がSNSで被害を訴えたものなのでどこまで本当か確証はないのですが、(あんなに人が沢山いる場所で一人だけ暴行に合う方がおかしいんじゃないかという人もいます)本当だったらひどい話です。

また暴行までいかなくても、道端でCorona virus!と叫ばれたという話などは周りの日本人からも聞こえました。
私は10年前に交換留学で住んでいた頃から、多様な人たちが差別なく調和しているロンドンが本当に好きだったので、この様な話を聞くのは残念で仕方ありませんでした。

治安の悪化

ロックダウンに入る前後、買いだめによりスーパーの棚から食料やトイレットペーパーなどの生活必需品が消えました。(これは日本でもありましたが)
その頃、スーパーを襲って物資を奪う人や、道端のひったくりやたかり、ウィルスの検査などの理由をつけて家に押し入る詐欺など、犯罪のニュースを良く聞くようになりました。

もともとロンドンは日本と比べると治安の良い場所ではありませんが、この様な危機的状況の中で治安が悪くなるというのは日本ではあまり経験しないことなので、ショックもありましたし単純に不安もありました。

ロンドン全体の様子ーポジティブ面

ネガティブ面を先に書きましたが、これは日本ではないだろうなと思う良い点もありました。

毎週木曜のNHSスタッフへの称賛

イギリスは医療システム≒NHSなので、NHSスタッフがウィルスの対応のために日々働いていました。

(ちなみにNHSに関しては私が別の記事で散々愚痴を書いてます。私から見ればパンデミックなんかなくてもNHSは最初から崩壊していると思う…
しかしそれは制度全体の問題で、今回の件でNHSスタッフが懸命に働いたことは確かです。)

そんな彼らに感謝と賞賛の気持ちを伝えようと、毎週木曜8時に家の前やベランダに出て NHSスタッフ拍手を送るというイベントが始まりました。

私の家はベランダ等もなかったので参加できず、近所の人がどれくらい参加していたのか分かりませんが、テレビを見る限り多くの人が参加していたようです。

地域ボランティアグループの結成

イギリスはボランティアやNGOなどの市民社会が発達していると良く言われますが、コロナウィルスが流行り始めた頃、各地域で即座にボランティアグループが結成されました。
主な目的は買い物などに出られない高齢者などの買い出しのサポートや、隔離や自宅待機で孤立してしまっている人と電話で話し相手になるなどの精神的サポートです。

私の住んでいる地域でも出来ていたのでボランティアとして登録しましたが、結局あまり需要がないのか、供給がありすぎるのか一度も声がかかりませんでした…
またWhatsAppグループでは地域のFood bank(主にホームレスなどに食べ物を供給する団体)が食料が足りていないなどの情報が共有されていました。


平時でもロンドンでは重い荷物を持っていると必ず誰か助けてくれるなど、助け合いの精神とフレンドシーさは日本(とくに東京)と比べると強いと感じます。
犯罪はもちろん、買い占めなど身勝手な行動を取る人が一部いる中で、この様に自分より大変な思いをしている人、サポートが必要な人のことを考えて、自分ができることを考えて行動を取る姿勢は素晴らしいし、日本も見習うべき点だと思いました。



以上、個人的な感想や解釈も含みますが、私からのレポートでした。

まだまだ渦中ですので、私が内定をもらっていたインターンはどうなるんだ?交換留学には行けるのか?などなど不安な点がいくつかあります。
また落ち着いた頃にどうなったかご報告したいと思います。

最後に、読者の皆様およびご家族・ご友人のご安全をお祈りしております。